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検討されている資格


このページでは現在、制度として資格を設けるかどうか検討されているものを紹介します。

医療保健心理士


厚生労働省が現在検討している心理臨床の国家資格。臨床家の人たちが待ち望んでいる資格といえるかもしれません。

資格を作る理由

1) 病院などの施設におけるカウンセリング、アセスメント、心理療法業務などはすべて医療行為である。
2) この行為は本来、医師法第17条(医師以外の医業の禁止)により、医師以外行うことができない。
3) しかし、現状、これらは必ずしも医師が独占している仕事ではない。

ならば、専門資格を作ってしまおう、という考えです。

資格を取るためには…。

1) 4年制大学において所定の心理学諸科目を履修し、単位取得、卒業をする。
2) さらに、大学院で臨床系心理学の修士課程(医療・保健関係法規、精神医学、小児科学の基本的科目を含む)を修了、あるいは、指定された医療・保健関係施設における研修を3年間行う。
3) さらにさらに、1年間の臨床実習。
(平成13年度厚生科学研究費補助金障害保健福祉総合研究事業 精神疾患治療ガイドラインの策定等に関する研究「臨床心理技術者の資格のあり方に関する研究」分析報告書より)

これでようやく受験資格を得るという話です。

システム的には臨床心理士の「2次指定校を卒業して、そのあと実務経験を積んで、それから資格を得る」というのに似ています。ただ違うのは、資格取得までにかかる期間が長いことと、指定された大学院を卒業しなければならない、というわけではないので、臨床心理士より資格取得の可能性が広がっている点です。

なお、この資格は名称独占(業務そのものは資格がなくても行えるが、有資格者でないとその資格名を名乗れないもの)となります。

現状ではどう考えているか。

まず、基礎系(知覚、認知等)の分野にいる人たちは、「作ろうが、作らまいが構わないけど、私たちを巻きこまないでくれ」という立場が多いようです。これは資格が成立したら、大学の教育カリキュラムに大きな影響を与えるのではないか、大学経営を考えると、臨床系に受験生を持っていかれて基礎系が隅に追いやられてしまうのではないか(今でもそういう面はあるけれど)、といった不安・心配があるからです。

続いて、臨床心理士が所属する臨床心理士会。これは基本的に「教育とか、司法とか、そういう分野でも通用するよう横断的な資格を!」という声を昔から上げていますので、今回のこの資格にはあまりいい顔をしていません(既得権益もあるのかな?)。

それでも、基本的には心理臨床関係の方は、国家資格を望んでいます。

皆さんはこの資格、どう思いますか?

その他のこと。


■ 資格はまだ存在しているわけではありません。よって名称、内容等はすべて検討中のものです。

■ 内容や認定方法には変更がある場合があります。