cafe de psyche

友達と恋人、何が違うのか。(2002年7月)


実はこんなテーマで昔、募集をかけたことがあります。まあ、あまり回答は寄せられなかったのですが、とりあえず、心理学的にあーだこーだいろんなこと言ってみましょう。

この点に関してはいろんな人がもう(ちゃんと学問として)研究しています。それを簡単にまとめてしまえば、「相手を尊敬・信頼・高く評価」したうえで、「相手を独り占めしたい、助けたい」と思うとき、そこからが恋愛だということになります。

この中でもルビンによる調査はまず200名の大学生から「恋人」と「友達」にわけて質問項目を集め、そこから「恋愛(love)尺度」と「好意(like)尺度」を統計的に算出し、その上でそれを158組ものカップルに施行するという、まさに心理学的調査のお手本のようなことをやっています。

恋愛尺度の質問項目には、元気がないときは私が真っ先に励ましてあげたい、とか、一緒にいないと寂しくなる、いつも会いたい、何でもしてあげるつもりだ、のように、「相手を独り占めしたい、助けたい」という項目が収集されています。これに対して好意尺度には、とても知的な人だと思う、とか、全面的に信頼している、とかのように「尊敬、信頼、評価」という項目が収集されています。

これをカップルに施行したところ、対友人には「好意尺度」のみが高く反応するのに対し、対恋人には「恋愛尺度」も高く反応することがわかりました(=この尺度に妥当性があることも意味する)。

それに、この調査ではこのような結論も導き出されています。

「男性より女性のほうが、恋愛感情と、好意の感情を、ちゃんと区別している」

自分は恋人だと思っていたけど、彼女にしてみりゃ単なる友達、とかの理由はここですね。逆に言えば男の人は、恋人と友達の区別がちゃんとできていない、ということです。

この結果を使って「好きだけど、愛してはいない」なんていう、普通の人なら、なんだよそりゃ、とか言いそうな言葉を翻訳してみましょう。

つまりそれは、「信頼してるし、尊敬もしてるけど、一緒にはいられないし、助けてあげたいとも思わない」という、友達ではある、でも、恋人ではない、ボーダーラインのようなものはよくわからないけど、このような区別ができている、と、こういうことなわけですね(がっかり(;_;))。

逆に言えば、信頼とか尊敬と、一緒にいるとかそういうことは、まったく別物だということになります。

これはもう32年も前の研究ですが、いろんなことが見えてきますね。

ちなみに恋愛をテーマにした研究にはこのほかにも、「なんで彼女は自分と似てるのか?」とか、「気がついたら好きになってた、ってどういうことなんだ?」とか、「遠距離が恋愛に与える効果は?」「どんな男がもてるのか?」「恋に落ちやすい性格とは?」などなど、そりゃあもう、たくさんのことがなされています。

このような研究はえてして社会心理学分野なんですが、ま、一般にあまり表立ってきません。興味がある方は昔の論文とかひっくり返してみると、何か出てくるかもしれませんよ。